ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

雪の日のニューファッション

犬日記7。



#あるじとチビ6。




確実に春に向かっている今日この頃だけど、
ちょうど1か月前には東京にも雪が降っていた。



それで思い出した事が。



実家にいた頃、
長期休みの期間はほぼ毎日明け方に犬のチビと散歩に行ってたんだけど、
冬には雪の降る中散歩に行く事もあった。



明け方起動する犬 - ぽとりと落ちたノスタルジア




チビはどんな時でもとても嬉しそうに散歩につきあってくれたんだけど、
雪が大量に降っている時でもそれは変わらなかった。






傘を差しながら歩くと視界がやや狭くなる。
私は考え事をしながら雪の中散歩用のロープを引いて歩いていた。
ほんの数分チビから意識がそれていただけなのに、
ふと気づいて先を行く茶色い存在に目をむけると・・・。





ぶっ•••。


チビ何その格好•••!!





チビの上に雪が積もり、
白いベレー帽と白いベストを身につけてるみたいになっていた。


短時間でそこまで積もる雪にも驚いたけど、
その装いはチビに似合わなすぎて面白かった。




チビ、犬界ではそういうの流行ってるの?
でも全然似合ってないね。



立ち止まって雪を払ってあげたら嬉しそうにしていた。



チビ (あるじ、ありがとう。)



チビにも傘をさしてあげたかったんだけど、
一緒にはいろうとしても
どうしてもチビが先に行くから無理だった。






チビはほとんど毎日夜中に起こされて、
しかも冬は雪が降っていて寒すぎるのに、
とても幸せそうだった。


キラキラした顔でこっちを見て、
雪がすごい時は似合わないファッションに身を包んでしまい、
はらってあげる、その繰り返しだった。




数分経つとまたすぐに雪が積もった。





チビ (ニューファッション。)





面白すぎた。
しかしチビは全く気にしてなかった。








チビ、なんで
あんなに幸せそうだったのかほんとに謎だ。



いろんな飼い犬見ても、
あんまり幸せそうじゃない犬が多い。
でもチビはほんとに幸せそうにしている犬だった。





チビの日常は別に特別いい事なんてなかった。





ほぼ毎日夜中に起こされ、
雨の日も雪の日も外を連れまわされる。
毎日のご飯は家族の食事の残りだったのでご馳走でもない。



さらに遡れば、体を表さない名前つけられたせいで
本人の知らぬところであれこれ言われ、
https://potoritootitanostalgia.hatenablog.com/entry/2021/12/30/235900
何にもいいことなんてなかったんだよ。

しかも
あるじが鈍臭いせいでスピードダウンして走る日々。



チビはいつも横目で私の疲れ具合を気にしながら、
かなり歩調を合わせて走っていた。


当時の私はその気遣いに、
私は犬にもこんなに気遣われるほど鈍臭いの?!
って思ってたんだけど、
今思えばチビってものすごく思いやりのある犬だった。
思い出せば思い出すほど犬があんなに気遣えるものなの?!と驚く。



しかも。



チビは家族(猫以外)が犬小屋の近くを通ると
必ず起き上がって嬉しそうに近づいて来てたんだけど、
私の時は犬とは思えないようななんとも言えない顔をしていた。



チビ (あるじ•••。)



私に近づいてくるチビは、
なんともいえない表情が溢れていた。


高校生橘(やめてよチビ。私は自分の都合で散歩に連れ回してるだけだよ。)


実際、当時の私はチビの事を特別可愛がっていたわけでもなく、
チビから発せられる幸せそうなオーラに戸惑った。





もっと可愛がってあげればよかった。





20年近く一緒にいたのに、
わりとそっけなかったように思う。







ちなみにチビは当時すでに老犬だったのに
わりと筋肉質で、
気合入れて走り出す時はいつも肩のあたりがムキッとなった。


食事内容はいつも白ご飯の上になんらかのおかずをのせたもので、
生涯ペットフードを口にする事はなかった。


病気になる事もなく動物病院とも無縁、
20年は幸せに元気に生きた。



全てのペットフードを否定する気はないけど、
なかなかに闇が深いからね、ペットフード業界も。








チビ、あの散歩してる時のキラキラした幸せそうな顔が今でも思い出される。
雪が降った日に思い出してしまった。