ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

マスク代わりを買って出てくれる

猫日記244。



#姉の重すぎる愛と王子カルピスの憂鬱な日常22









カルピスは毛繕いがとても上手な猫だった。



カルピスの被毛は、本人がよく手入れしていたせいか
皮膚トラブル等もなくノミも全く見た事なかった。
プッチも同じだったけど、カルピスの毛繕いはとても特別に見えた。


シャム猫特有のグラデーションを丁寧に舐めて綺麗にしていた。


カルピスはいつも清潔な毛皮を身に纏っていたのだ。
ある時を除いて。






あれは秋だったか冬だったか春先だったか
もう覚えていないけど、
私が風邪ぎみだった時の事。



鼻がぐずぐずで、カルピスに近づいても香りが全くわからない!
カルピスは花の香りのする王子様なのに•••!



仕方ないからすすけ具合を•••
じゃなくてグラデーションを見て愛でた。



すすけの三文字出した時点で
カルピスは内心すごく怒っていた様な気がする。


すすけ・・・
グラデーションに頬擦りもした。
猫に風邪はうつらないとわかっていても、
顔は避けて背部の毛皮へすりすり。




高校生橘「カルぅ•••。」

感冒症状でダルい。





カルピス (姉、鼻をかむのです。)





高校生橘 「うっ•••。」





カルピス (姉•••!!鼻を•••!!)







高校生橘 「はっくしょ•••うぐっ•••。」




ボスン。




一瞬で視界がすすけた。







高校生橘 「あっ•••ごめん。」




カルピスは現実逃避してる顔になっていた。









現実逃避の型。



カルピスはまれにこの顔になる事があった。
それはまるでチベットスナギツネみたいな顔だった。




どこからともなく母がやってきて、
サッサッ、と毛を拭いてあげていた。




母橘 「カルになんて事するの•••!」

怒られた。


毛を拭いてもらってるカルは、
遠目に見ると
まるで王子様がおつきの者に毛の手入れをしてもらっている様で優雅だけど、
顔は現実逃避している。








母橘「カル、ばっちい!」



いや、カルは何も悪くないしむしろ被害者。



母橘「カル、ばっちい!」



2回言った。




この時カルはしばらく現実逃避の型から抜け出せなかった気がする。



こうしてますます姉は嫌われていった。




猫をお飼いの方は、風邪の季節はぜひお気をつけください・・・。