ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

メリー

犬日記8。



#メリーはメリー1。




私が実家出て2年くらい経って
チビがいなくなって、
そのさらに1年後くらいにまた実家で犬飼いはじめた。


当時
電話で母から、
メリーっていう仔犬飼いはじめたから写真送るね.
メスで
名前の由来はメリーさんの羊から、
と言われ。



なんでメリーさん?と思ったけど
母が幸せそうなので黙っていた。




送られてきた写真には、
廊下でスリッパにかじりつく
耳の折れた芝犬みたいなベージュの仔犬が写っていた。
室内で飼っているとの事だった。









母、犬派。
そして特に小型犬を好む。



一緒に街を歩いていて
散歩してる小型犬と遭遇すると密かに可愛い可愛いと興奮する。



なんで小型犬がそんなに好きなのか。



母の一番の推しはティーカッププードルで、
ほんとは飼いたかったけど
ばあちゃんが小さい犬が好みではないらしく却下となったそうだ。



私はあのサイズならもう猫でいいんじゃないかと思う。








母、ちいさきものが好き。



カフェで飲み物のおまけでちっちゃいお菓子が出てくると、
それだけで可愛い可愛いとすごい喜ぶ。


なんでも小さいものが好きなのだ。





昔は母と喧嘩すると、


母橘 「ちっちゃい時はかわいかったのに、おっきくなったらなんにもかわいくなくなった!!」


反抗期こじらせ橘 「サイズに左右されるなんてお母さんもまだまだだよね!!」



その後、激しい骨肉の言い争いに。








それで、念願の犬を飼いはじめて
しかも仔犬だからちっちゃくて
すごく可愛いがってる様子だった。


私はほとんどビーグルとダックスフンドにしか興味がなかったので、
その小さな折れ耳がちょっと垂れてるくらいのメリーとやらには
特別会いたいとは思ってなかったんだけど、
一回くらいは会いに行ってみようとも思っていた。




そこから1年の時が過ぎた。




実家に一時帰省する事になって、
いよいよメリーに会えるのか•••と少しだけ楽しみになった。



室内犬だなんて、
一体どんなお嬢様に育っているんだ。




電話で帰省について話していると、
メリーの話題になり、
メリーはすでに外に出されて室内犬ではなくなっていると告げられた。




なんでも、すごい暴れるらしく
もう室内では誰もどうする事もできなくなったそうだ。




お嬢様。




メリー、どんな犬なんだ。




とりあえず帰省してみた。





はあー、ひさしぶりの実家。
私は居間と玄関のはざまでくつろいでいた。



すると、どこからともなく
ザ•外国の犬、な大型犬が顔を出した。


最近は近所でもこういう犬飼う様になったんだな。
どこんちの犬だろう。


ていうか来客?誰か来てるの?
お客さんが連れてきた犬っぽい。



私は母に、誰が来てるの?と聞いた。
母は誰も来てないよとだけ。




ではこの犬は?




その犬は、不思議そうな顔でずっと私の事を観察している。



(おとなしいな•••。)



その犬は、知らない人に対して腑に落ちないという様子で私の事を見続けている。



ツインテールだけど、大型犬なのでビーグルやダックスフンドとはぜんぜん違う。
しかも中型犬のチビよりもかなり大きい。
さらにツインテールのとこだけパーマかけたみたいなゴージャスな巻き毛。
毛の色も染めたみたいな絶妙な色をしている。



(最近の近所の犬はハイカラになったものだ。)




私は、そうだメリーに会わなくちゃ
と思った。
知らない犬とばかり対面しててもしょうがない!




帰省橘 「お母さん、メリーはどこ?メリーに会わせて。」


母橘 「メリーならそこにいるじゃないの。」




え•••。



えええええ?!



驚きの声を浴びた目の前の巻き毛ツインテールの大型犬は、
あいかわらず腑に落ちないという顔をしていた。