ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

鉄槌

猫日記227。



カルピスは、ひたすら大人しく優しい猫だった。


私の事好きじゃないのに、私がくっつくと
「姉が嬉しそうにしてるからじっとしていよう。」
みたいな感じだった。



ある時を除いては。






事件はある平日の夜、起こった。


私が学校から帰ると、カルピスが居間の床に座っていた。
いつにも増して静かで
しかもちょっと不機嫌そうな顔をしていた。
憂鬱なオーラも漂っている。



カルピス「・・・。」

高校生橘「?」



私はあんまり気にせず、
夕食時だった事もありテーブルについた。



そしたら、
いつになくカルピスの視線を感じる。


私が振り返るとカルピスはうつむいていた。


高校生橘「?」


カルピスはご飯食べたのか聞くと、
食べたらしい。
私のおかずが食べたいわけではなさそうだ。


夕食を終えると
カルピスは同じ場所に座っていたので、
近寄って、頬ずりしようとした。


高校生橘「カルピス・・・。」


私が顔を近づけたその瞬間。



ばしっ




カルピスの猫パンチが顔に飛んできた・・・!!





一瞬、何が起こったのか分からなかった。



横で見ていた母、本気で吹き出していた。


母ー!!


母が吹き出したので私が我にかえると、母は平静を装った。





優しいカルピスが、私を殴った•••!!




そんな•••そんな•••!!







プッチにも殴られた事ないのに•••!!







カルピス!!私にそんなことしていいと思ってるの?!


もちろんいいにきまっている。




(悲報)一般庶民の姉より王子である弟の方が身分が高かった。





母橘「きーらわれたーきらわれたー!」

祖母橘「あたりまえだよ。しつこくするのやめなさいよ。」





他の人に何言われてもいい。でもカルピスとは仲良くしたいのに!!

カルピスは踵をかえして王座の方に歩いて行ってしまった。




高校生橘「カルピス!」←半泣き。




振り返ったカルピスの表情は、すっかりもとに戻っていた。
それどころか殴ってせいせいしたのか、
すっきりした顔をしていた。

さらに、私が殴られてもカルピスを追いかけてきたので、
ほう?みたいな顔していた。



いつにも増して女の子みたいで
眩しい•••。





それにしてもひどいよカルピス!!
なぐるなんて・・・なぐるなんて・・・。



プッチはいつも
「めんどうなわらべだねえ。」
みたいな顔してたのに
猫パンチなんてしなかった。

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ましてやカルピスは心優しい王子。
誰かを攻撃するのなんて見たことないのに・・・!!



高校生橘「カルピス・・・!なぐったりしちゃやだよう!!」


わたしはカルピスにくっついてさめざめと半泣いた。
カルピスは、もう今日はしょうがない、みたいな顔をしていた。


高校生橘「カルピス可愛い!いい匂い!」
いつも以上に頬ずり。
猫パンチした事でよけいくっつかれる事になって、
もうカルピスはあきらめていた。


愉快そうにしている母。
ばあちゃんは呆れて何も言わなかった。


そうして私はカルピスにくっついたまま過ごした。



そうして夜は更けていった。