ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

弟子にされそうになった話<依頼その1編・カフェ>

hotakatachibana2018-12-03

駅を出てエスカレーター降りているときに、ダイエットの話になった。この人はおそらく、自分で思っていたより私が太っていなかったから、予想が外れてほめたんだと思う。ところが残念、この人の予想は実は当たっている。私は着痩せするんですと伝えた。


その流れで絶食の話になった。この人は2週間出来るとのことだったけど、炭水化物を食べない期間なのか、固形物を食べない期間なのかわからなかった。私は、固形物抜き1週間は出来るけど、炭水化物抜き2週間はおそらく出来ない。





カフェについた。



なんのお茶にしようか迷っていると、この人は私の言動に神経を使っているようだった。
私がメニューのなかから選んで頼むと、その人も全く同じ種類のお茶を頼んだ。






お茶が運ばれてくると、ほんとに食事は要らないのか、と何度も聞かれた。この人、外食はそれほど好きではないらしいが、よいお店をいろいろ知っているとの事。



私がお茶だけでいいというと、ケーキ頼もうか?と言ってくれたが、私この時甘いものが一切食べられなかった。生クリームとかもってのほか。



別に遠慮してるわけじゃないんだけど、遠慮してると思われたらしい。



この人、自分のお客さんにはいつもそうして親切にしてあげてるらしく、自分を真に頼ってくれる人をとことん面倒みる、そんな感じの印象だった。


実際に会ってみる前から、中小企業の社長みたいな雰囲気を感じていたけど、実際そうだった。


以前は会社を経営していてまさに社長だったそうだ。お父様から譲り受けた傾いた会社をたった一人で黒字に回復させた本物の経営者らしかった。



世の中の下向きの煽りを受ける前の絶妙なタイミングで会社をたたんで、資産と長いつきあいの秘書さんが残ったそう。そしてその後は秘書さんと一緒に、コンサルタントとして個人で仕事をしているのだとか。






どうりで、教養があって、経営者の人達の相談にのれる程のスキルがあって、そしてオーラが強面だと思った。しかも肌がそのへんのばっちり化粧している女の人より綺麗で、すごく若く見えた。でも結構年配の人の様な雰囲気で装っている。




そういえば、この人のプロフィール等読んでないからほとんど何も知らずにここに来たなと思った。





実は、会う前からこの人にあまり心惹かれるものがなかった。私はこの人を頼りにして依頼したし、この人は私の為に真剣に仕事しようとしてくれて、関心も持ってくれている。でも根本的なところで私はこの人に関心がない。実際に会ってみてそう悟った。そしてそれをこの人に悟られてはいけないと思った。たぶん、気を悪くする。ただこれは時間の問題なので、この人と私は長い付き合いにはならない、そう確信した。



ちなみに、前もってやり取りしていた時に、この人が運命の出会いと言ったのを私が打ち消したことを、この人はカフェで根に持っていた。


だって、運命の出会いと言われるたびにいつもまたきたと私はげんなりするんだよ。別にこの人が嫌いだからじゃない。それがあんまりうまく伝わってなかった。






会話はスムーズに進んだ。依頼内容とは関係ない事でも、聞くと教えてくれて、私の知らないことを知っていて聞いてて面白いなと思った。私は普段から疑問をたくさん持って生きている。それを発してみた。



また、私も普通にお勤めしてる人とかが知らないことをちょっと知ってたりするから、そういった話をするとこの人は目が鋭くなって、よく勉強している・・・と呟いていた。私の場合、勉強とかじゃなくて、そういった情報に偶然遭遇する運みたいなものなんだけどね。


バレエの話も出来るかなと思ったけど、この人はバレエのことを全く知らなかった。芸術は興味があるけど、バレエは全く興味がないらしかった。







この人がふと葉巻の話をしたので、葉巻ってすごくいい匂いですよねと私は言った。この人は葉巻の事がわかるなんて、と驚いていた。



別に私は葉巻を吸うわけじゃない。ただ、以前一度、葉巻を吸う人と同じ空間に数分間だけ居合わせた事がある。その時、なんていい香りなんだろうと思った。一緒にいたその葉巻吸っていた人の奥さんからその場で数分間だけお話うかがったことがあった。




その時の記憶を頼りに話をしただけなんだけど、喜ばれた。



また、50年くらい前は葉巻はファッションの一部で、吸うのはもちろん持ってる事がおしゃれだったんですよね、とも伝えてみた。これは数分間居合わせた葉巻のご夫妻との遭遇よりももっとずっと前にアンティークのお店に言った時に、お店の人と話をしていて得た情報。







さらに私、10年以上前に葉巻入れ(木製の箱)をアンティークのお店で買って持っていたことがあって、その時のことも話したら珍しいねと驚かれた。この人は葉巻吸う人なので、もちろん葉巻入れも持っていた。私は葉巻吸わないので、葉巻入れは小物入れとして使っていた。




共通のものがあると、会話が弾む。おそらくお茶を同じにしたのは、共通のものを増やす為なんだろうなと思った。