街歩きの戸惑い17。
秋のノスタルジア2。
とある秋の始まりのある日、
住宅街を歩いていた。
よく知ってる場所なので、
いつも通るルートで目的地に向かうつもりだったんだけど、
ふとその日は違う道をまわって行く事にしたんだ。急遽変更。
それで歩いてたら•••。
「銀杏好き?」
突然質問された。
しかしどこから話しかけられたか分からない。
とりあえず上の方から声聴こえた。
見上げると•••。
見知らぬムッシュが屋根の上にいた。
橘「好きか嫌いかわかるほど食べた事ないです。」
屋根の上のムッシュ「そうか。」
会話が成り立ってしまった。
屋根の上のムッシュ 「今うちの銀杏たくさん落ちてきてるでしょ。いつもは隣近所にあげてるんだけど、あなたみたいな人にあげた方がいいと思ってね。」
橘 「ほんとだ。これ全部ご自宅の銀杏ですか。」
このムッシュ、誰だ。
このムッシュは自宅と同じ敷地内にあるアパートを経営する大家さんだという。(また物件持ち•••。)
敷地内に生えてる銀杏の木から落ちた実を屋根の上で拾ってるところだった。
近隣のおうちは庭付き一戸建て。
しかも裕福そう。
銀杏が大好物とかこの大家さんと特別仲良しとかじゃない限り、
銀杏くらいじゃそこまで喜ばないのかもしれない。
その点、私は少し珍しい食べ物あげたらすぐ喜びそうということか。
この屋根の上の大家さんがくれようとしているのは緑の銀杏だという。
実際、翡翠銀杏なんて食べるの初めてだ。
茶碗蒸しの中で黄色くなってるのしか食べた事ない。
大家さんは屋根から降りてきて自宅に入って行くと、
銀杏がたくさん入った袋を持ってきた。
食べ方を教えてくれながら渡してくれた銀杏は、
皮を剥いて綺麗に処理済みで
殻付きのまますぐに炒ってたべられる状態になっていた。すごい。←大喜び。
橘 「銀杏のお礼しにまた来てもいいですか?」
屋根の上の大家さん 「いいからいいから!!こういうのはただもらっておくの!私があげたいと思ったからあげたんだから。お礼なんてかえって迷惑!」
お礼を封じられた。
屋根の上の大家さん 「一番いいのはね、この間のおいしかったです、ってまたもらいにくるのがいいの。」
それはどうなのか。
とりあえず銀杏
家で食べました!!おいしかったです!!