イタリア・フランス回想記5です。
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目覚めるといつもと違う天井。ここはローマ!
飛び起きて支度をする。友人も起きていた。さあまずは朝ご飯へ。ホテルの地下のカフェテリアへ行く。
けして広いカフェテリアではなかったけど、いろんな国の人がたくさんいて、開いてる席を見つけるのに苦労した。メニューは予想した通りの定番コンチネンタルスタイルだった。きびきびとはたらくメイド風の格好の黒人系イタリア人?の女性の行ったり来たりする姿が印象的だった。
外に出るといい天気!街歩きにはもってこい。ホテルからテルミニ駅までの短い道のりで、水が湧き出てる小さな泉のような水道をひとつみつけた。ローマには大掛かりな噴水とは別にこんな小さな水のみ用と思われる水道がそこかしこにある。見るからにおいしそうだが、飲まないほうがいいらしい。
テルミニ駅から地下鉄B線に乗り、コロッセオ駅へ向かう。
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ローマはスリのメッカで(外国の大都市ならどこだってそうかもしれないが)、しかも前の晩からこの時にかけて、スリの仕事場と言えるところばかりに行ったが無事だった。観光客が集まるところにはスリも集まるのだ。
スリはどんな人がいるのか・・・。年齢は大人から子供までさまざまで、パッと見普通の人らしい。観光客目線では見分けがつかないとのこと(ということは現地の人にはわかるのかもしれない)
その手の動きの巧妙さ素早さは、手品師になったほうがよさそうなくらいらしい。
主な被害例として、
新聞やダンボールを持った子供たちがやってきて、ターゲットを皆で囲む。新聞またはダンボールを広げ、「現場」を多い隠す役、ターゲットの気をそらす役、そして貴重品をする役、とみごとなチームワークで行われるらしい。
ドン、と体当たりした瞬間貴重品を抜き取るシンプルなスリ。
後ろからローラースケートで体当たりしてきて、ターゲットが転んで荷物がばらけたり注意散漫になった隙をねらうスリ。これも子供たちの集団らしい。
偶然を装ってソフトクリームを服に思い切りつけてきてターゲットの気をそらしながら行うスリ。
いずれも、スリはあらかじめ目をつけたターゲットが、どこから財布を取り出し、どこにしまうかまで見ていると言う。人前で財布を取り出すのも取り出しやすいところにしまうのもNG。高級ブランド店で買い物した後その紙袋をそのまま持って歩くのもかなり危険とのこと。どうしても持ちたいならホテルまでタクシーで帰るのがよく、歩きたいならブランドのロゴが見えないように別の袋をかぶせるべきらしい。
私はそもそも財布やバッグなんて持ち歩かなかった。ホテルに置いてある荷物の中に日本円とユーロを半分くらい残し、あとは旅行用の薄型の貴重品入れにカードと高額なユーロを入れて、ベルトに紐を結んで服の内側に押し込んだ。その上からコートを着たのでどんな巧妙なスリでも手が出せなかったに違いない。少額のユーロはじかにコートのポケットに入れ、足りなくなりそうなころ、コートの中で貴重品入れから20ユーロくらい取り出し、くずしてコートのポケットへ。しかもポケットはうんと深くて、ちょっとやそっとじゃ手が届かないデザインだった。
しかも、注意深く観察しても、どの観光スポットでも不審な人物とは出会わなかった。
ジプシーがたくさんいるときいていたテルミニ駅でさえジプシーに会わなかった。
コロッセオあたりでは「ミサンガ詐欺」が出没すると聞いていたけど、やはり会わなかった。
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車内でスリのことを友人と面白げに話しながらコロッセオ駅までのあいだB線に揺られていた。