イタリア・フランス回想記(2003年12月27〜2004年1月1日)vol.24です。
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トレヴィの泉からホテルに戻ると、荷物を持ってチェックアウトした。
べネツィアへ発つのだ。
テルミニ駅に着くと、列車の時間まで駅構内をぶらぶらすることにした。大きな本屋があったので、そこに二人で入って、本に荷物をぶつけないようにイタリア語の渦を眺めた。
しばらくして、電光掲示板に私たちの乗る列車が出たので、改札を抜けて、中の売店でデ二ッシュとコーヒーを買い、列車に乗り込んだ。ブースごとに扉がついていて、閉めると個室になる。荷物をおろして、やっと一息。窓の外を見ると、まだ動かない景色がまだるっこしく感じた。この窓の向こうに海が出現するのは夕方くらい。
列車が動くまでの間、ローマでの4日間を考えていた。「石造りの青年」のモデルになった人はいなかったし、このときはまさか物語を描くなんて夢にも思わなかったけど、まるで別世界に迷いこんだような時間は忘れられない思い出になった。イタリアってすてきだなと深い実感を持って思った。べネツィアはどんなことになるんだろう。
さよなら、ローマ。
列車が動き出した。
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