ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

こんな会社がパリとかN.Y.とかまかり通っていいわけない1

モデルは発見出来たので、
モデル発見記の続編を書こうと思います。



モデル発見記9。











ダラダラダラ・・・。



19歳橘 (・・・T田さん、まさか私のせいで見た目あやしい事に気づいたんじゃないですよね・・・?)




T田さんの顔は輝いていた。


つまり、黒光りしてたのかあの時のT田さん・・・。



T田さんは若い女子社員達から美白してくださいよと言われながら席に戻った。



T田さんが前に出て話した内容を要約すると、
19歳橘がすごくいいモデルを見つけた事が
よかった
って事らしい。



この時つまり、T田さんは19歳橘に花を持たせてくれたわけだ。


19歳橘 (そんなのいいのに。)



実際、こんな会社で評価されてもうれしくないし、
目立ったところで別にどうにもならない。
むしろ私には害。



”こんな会社。”



詳細は後日。





ミーティングが終わると、速攻近くにいた社長が声掛けてきた。





社長 「橘さん、すごくいいモデルみつけたんだって?すごいじゃない!」


19歳橘 「あ・・はい・・・ありがとうございます・・・?」←なぜか疑問形。


社長 「どうやってみつけたの。」


19歳橘 「はあ・・・その・・・T田さんと二人で・・・。」





ミーティング会場全体の目が自分に注がれてるのを感じた。


(まーた社長が橘さんにからんでるよ。)

あきれてる人。

(あんなに社長に拒否反応出る橘さんほんと面白い。)

好奇の目を向ける人。

(なんであの子ばっかり社長に贔屓されるの・・・。)

嫉妬心を抱く人。



しかし19歳橘はそんなのどうでもよかった。



19歳橘 (帰りたい・・・。)


社長へのよくわからん受け答えをしながら、19歳橘はひたすらそう考えていた。





私はたいして愛想がいいわけでもないんだけど
昔から上の人にかわいがられるんだよ。


ここの会社でいえば社長が私の事を気に入ってくださっていたとかで、
そうなると幹部クラス全員社長のいう事に耳を傾けるので、
幹部クラスの人達にも気に入られていたという事になる。


しかし、社長のいう事にはある程度賛同するけど
私の事がそこまで気に入ってるわけではない幹部の人というのもいた。


「・・・弱っえぇ小動物みたいなやつだな!」


ミーティング前に私の隣の席に座った例の高圧的な男性社員は、
そう吐き捨てる様に言うと、ふん、と席を立ってどこかに行ってしまった。


この人、「俺たちの社長が目をかけている子がなにやら手柄立てた様だから」
ちょっとコンタクト取ってみるか、くらいに私の隣に座ったんだろう。



しかし、社長への受け答えも消極的だしわけわからんやつだ、
という事で相手にする価値なしと判断したらしい。


ていうか私は弱くも小さくもないんだけど。
ああでもたしかに体力はないわ。弱い弱い。
だからこんな会社とかかわっていちゃいけない。


しかし社長の質問は続く。


ダラダラダラ・・・。


見えない汗再び。



「社長社長社長!」

突然、社長を呼ぶ声が。


T田さんだった。


T田さんと話し始める社長。


こー・・・っそりミーティング会場を出る19歳橘。



T田さんありがとう・・・!



おそらく私を開放する為に社長を呼んでくれたんだと思う。
他の幹部クラスの人達は助けてくれないしむしろ社長と仲良くしてくれくらいの空気感で、
他の社員の人も手伝いの子たちも見てるだけなのに。



ちなみに社長夫人と社長令嬢にも会った事あるけど、
社長と私のやりとりみたお二人は


社長夫人 「くっくっくっ・・・。」←笑いをこらえていらっしゃる。

社長令嬢  ポカーン。


助けてくださらない。





そしてT田さんも私の事気に入ってくださっていた。


なぜならT田さんも幹部クラスの人だから!



T田さんは悪い人じゃないけど
私はこの会社です。



囮になってくれたT田さんを生贄にして
19歳橘は帰りまーす!!