屋久島日記30です。
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次々と登場する鹿に釘付けになりながらも確実に山奥へ進んでゆく。だって11時だいのバスに間に合わなくなる。マダム白谷はもののけの森まで行くのが限界だと言っていた。いそげーいそげー。再び走りながら登ってゆくと、川にあたった。道は川の向こうへ続いている。渡らないと進めないということらしい。でも私は石の上に乗って川を渡るのは得意だった。小さい頃祖母に伝授されたことがある。だいぶ上流らしく、綺麗な水が流れていた。
川を渡ってとにかく登る。息が切れてきたのでまた少しスピードを落として、ついには立ち止まった。誰もいないなあと思いながらふと左上の木を見上げた。
「あーっ!!!!」
絶狂してしまった。だって木の上に猿がいたんだもん・・・。でも私以上に私の声に猿は驚いて、木の上でガサガサッと動き回っていた。でもこちらが危害を加える気がないことが分かったらしく、木の上で静止してこちらをじっと見た。しばし猿と見つめあった。
屋久猿って普通の猿と猿相が違う。獰猛かつ神秘的な顔立ちで、ししがみさまにソックリだ。ジブリは彼らをモデルにしたのだな。
いつまでも見つめあっていても仕方ないので、先を急ぐ。するとまた猿がいて、地面にしゃがんで白いキノコを食べていた。その姿はとても可愛い。けどそれは顔が見えないアングルだからだ。たたずまいは可愛いのに顔はししがみさまである。