ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*掘り出しミルクパン

hotakatachibana2006-09-08

屋久島日記も仙台日記もおやすみです。

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4年程前からずっと水野正美さんのミルクパンに憧れていて、時々はファーマーズテーブルに見に行っていた。作家ものということもあり、またいい道具。とても買えるものではないので、いつかと思っていたら4年以上経ってしまった。


その間、どんなにミルクパンを必要としても他のは買わずに代用鍋で済ませていた。そんなある日のこと、写真のミルクパンと出会ったの。これはフランスからやってきたもので、おそらくフランスのどこかの家庭で使われていたものではないかとのこと。肉厚で重厚なその姿はよく使い込んであるらしく、独特の雰囲気をまとっている。こんな鍋は作りがしっかりしていて代々受け継がれて使い続けられるものだから、めったに出てこない。それが目の前に。


しかも良心的なお店にあったおかげで、水野正美さんのミルクパンよりうんと安かった。うんうん悩んだすえ、この鍋でいったいどんなおいしいものが作られてきたのだろうという考えが浮かんでは消えた。そして買うことに。アンティークを買うときは、ものと一緒に歴史も手に入れるのだ。物とはいい関係を築きたいので、これは重要。このミルクパンを売ってくださった方は、


「物は道具としての機能を果たすだけでなく、あらゆることを教えてくれる」


とおっしゃっていた。それをきいて、過去の出来事が走馬灯のように流れた。


なるほどそうか!思い当たるフシがいくつかあるわ。この鍋にもたくさん教えてもらおうと思った。売ってくだった方はトマトソースが抜群にむいてる、みたいなことをおっしゃっていた。トマトソースは大好物だが、ずっと煮詰めたりなど、私にできるだろうか?いつか作ろうと思いつつ、このミルクパンでチャイやみそ汁を作る日々。


そんな時、ちょっと前に知り合った方から最も簡単なトマトソースの作り方というのを教えてもらった。しかも煮詰めないのだー。「バジル派ならぜひやってみて!」とのことだったので、うちのバジルが枯れる前に一度作ってみようと思う。


このミルクパンがあるだけで、うちの狭いキッチンが奥行きを帯びてくる気がする。今日もおいしいものを作るべく待機してるのだ。だから早くおいしいものを作れるようになろうと思う。