われたときに器の命は終わるのでしょうか?
そう問いかけることでこの本は始まります。
前田さんの愛する魯山人の器が割れてしまった。
しかし日本には、金継ぎという割れた器を蘇らせる手法があるのです。
金継ぎによって再び前田さんのもとへ戻ってきた魯山人の器は、以前にも増して
美しい佇まいだったそうです。
このエピソードから紡ぎだされる前田さんの文章は、ご本人の美学と人生哲学に触れることができます。
シンプルで美しい装丁に、その全てが表現されていました。
私はリッツのティーラウンジで、窓から見えるスカイツリーよりも
この装丁に夢中になりました。
そして解体しました。
裏側も素晴らしいです。