イタリア・フランス回想記(2003年12月27日〜2004年1月1日)vol.84です。
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オレリーとルグリのチャイコフスキー・パ・ド・ドゥはそれはそれはすばらしかった。
ルグリのボディコントロールがすごすぎる。なんであんなに超人的なことやっててもあくまで美的、すごさは二の次、芸術最優先なんだろうとためいきです。
一流の人って、ただ単に「すっごくきれい!」「よくわからないけれどすてきだな」というように感性に訴えかけることができるからすごい。ちょっと博識な人がどんなにどんなに分析してもたぶん解明できないのがいいんだと思う。
そしてオレリー。
私はオレリーが好きなので、ガルニエ宮でみれてクラクラしそうだった。小さなお花がついたジョーゼット(パリオペラ座のチャイコフスキーパドドゥの衣装はかならずこれらしい)で、この日はピンクだった。すごくいい色で、オレリーにとんでもなく似合っていた。
それで踊るからもう!
ああいう演目はいつもそうなのか分からないけど、この日のオレリーはサービス精神満々で明らかに観客に意識を向けて踊ってくれてた。踊りながら一瞬一瞬を絶妙に魅せるのね。その様子が可愛いくてきらびやかで、しずくをたっぷりたたえたピンクのバラみたいだった。
アームスとか、もううっとりするほどの意思と意識にあふれてて、オレリーのアームスのまわりの空気だけ振動が起こってるというか、残像が見えるというか…。
しかもポワントで踊ってる時のオレリーは床から5ミリ浮いてるように見える。妖精に違いない。
それにしてもこの夜の二人はなんかわくわくして踊ってるように見えた。大晦日だからですか。