イタリア・フランス回想記(2003年12月27日〜2004年1月1日)vol.34です。
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陽気なトラツトリアを出ると、少し夜の散歩へ。
もしかしたらサンマルコ広場にたどりつけるかもしれない・・・。
地図はない、道も知らない、案内人もいない。
ただ二人で彷徨った。もれてくる明かりと、どこからともなく聞こえてくる音楽について行った。
真冬の海辺の街なのに、ぜんぜん寒くなくなっていた。
まだそんなに遅い時間ではなかったけれど、雨上がりだったからか、誰一人として私たちの他に歩いている人はいない。
暗闇が怖くなったらさっきのトラットリアの話題をわざと出してみる。友人はどうか知らないが、
私はこの話題ひとつで15分は怖さが破壊されて驚きの効果だった。
お店じゃない普通の家はどれとどれだろう?
この高い外壁の向こうにはどんな世界が広がっているの?
ていうか私たちホテルに帰れるの?
サンマルコ、サンマルコ・・・。
遠い日本で夢見ていたあの場所はほんとにあるのだろうか。
夜の散歩は雨だれが落ちるようにぽつぽつと続いて行った。
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