ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*魔法のペンは消えた

hotakatachibana2006-08-27

今日は屋久島日記も仙台日記もお休みです。


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ベネツィアに行ったときに、ムラーノガラスのペンを見つけたのです。友人用と自分用両方買ったんだけど、もし足りなかったら自分用のもおみやげにしてしまおうと思っていました。でも数が足りたので、1本のガラスペンは自分の物になったのでした。



それから約半年後、ティアドロップの挿絵も私が描くことになって、困っていたところにペンの存在。ペン画なんて初めてだったんだけど、現地に持って行った紙に、現地で買ってきたペンで書いたらすてきな気がした。



よなよながりがり描いた。その素晴しい描き心地とひきかえに、ペン先はたった2枚の絵を描いただけで潰れました。でもなんとか潰れたままで5枚とも描きあげました。そしたら編集部にもOKもらって、あれは魔法のペンだったんだとしみじみ思ったのです。



その後ペンはどこかに行ってしまいました。写真のインクだけが残って、どんなに探しても見つかりませんでした。



伊東屋や芸術劇場アートギャラリーでガラスのペンを見かけたけど、ピンと来るものではなく、またとても高価だったので買えませんでした。だって私はたった2枚の絵を描いただけで潰してしまうんです。仕方ないので世界堂で普通のステンレスのペン先を買ったのですが、ガラスのペンのような繊細な線は出せませんでした。


ところが先々月、国立のとあるカフェ(オーナー様の希望により、ブログ等での紹介ができません。とてもすてきなお店なのに残念)でガラスのペンが売られているのを見つけたのです。値段もイタリアで買ってきたのと同じくらい手ごろで、しかもそれに負けないくらい美しかった。違うところといえば、ムラーノ製ということと日本製ということ。またひきこまれるようなガラスのペンに出会えてすごくどきどきした。


手に入れてからというもの、外出するときは必ず持ち歩いてる。先日、仙台に行った時(仙台日記現在進行中)にも持って行っていて、やはり一緒に行動してました。前から行きたかったカフェに行ったらテラス席がとても気持ちよくて、テーブルの上でそばに咲いてた花をガラスペンで描きました。その翌日、広尾で知人の方とお店を見てたりした時に、オフィスの表札をデザインして欲しいと言ってくださいました。このときは思いつかなかったのですが、今、あの時仙台のカフェのテラスでガラスペンで描いた絵をもとにデザインするつもりでいます。さすがに表札にガラスペンは使いませんが、うまくいったら、このペンは2代目魔法のペン・・・。


ガラスのペンには不思議な力が宿っているに違いない。