ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

姑職場4・常識的な居場所

この部署、もう一人責任者がいまして。
そのもう一人の責任者というのは、
贔屓する傾向のある責任者よりもだいぶ年上で、やはり女性。



ある時このもう一人の責任者と一緒に仕事する日があって、
その合間にあらたまって話し始めたから何かと思ったら
この人がこの会社に入社したばかりの頃の話だった。



「もし歳をとった時に、自分の居場所がないのは嫌だなと思ったの。それからはお金貯めて、家買った。」













サッパリわかりませんけど•••?!






たぶん独り身で歳を取ったら何にもない人生だと思ったから家が欲しくなったって意味だと思うけど、
家だけあっても人生どうにもならないよ?!
むしろ持ち家なんかない方がいいと思えるくらいなんだが!
それ居場所とちがくない?!



•••って当時も今も思った。



たぶんこの人の考えでは、結婚したら人として得るべきもの全部得てるという認識で
居場所もある人生ってことなんだろうけど、
世の中には、得たいものをほとんど満足に得られないから
せめてお金も含めた資産を得よう、結婚だけはしよう、みたいな人も多いよ。



それに、年を取ってからの居場所の心配をするくらいなら
現状のままで何かをし続けるというのはやめた方がいいし、
そもそも誰かの為に価値ある存在でい続けるなら
そんな事考えてる暇ないと思うんだけど・・・?!


それに、
結婚してても居場所がない人も世の中にはいるよ?!
たぶん•••。




そもそも普通の人が持てる持ち家って、資産としてもかなりイマイチ。
この責任者の人は仕事辞める気も引っ越す気もなかったんだろうし、
実際何十年と辞めも引越しもしなかったけど、
どうなるかわからない状況という意味でも
自由を効かせるという意味でも賃貸の方がいいし、
住み始めた時点で資産価値が下がってくものを所有するのはどうかと思う。



ちなみにこの責任者の人、本人の若い頃の予想に反して結婚して家庭を持っていた。
はっきりとは言ってなかったけど、たぶん自分で買った家にそのまま住んでる。それはそれで珍しい。



ちなみにこの責任者の人、話す機会があるごとに私の事を結構常識あるわね、みたいに毎回意外そうに言っていた。
たしかにいろいろと至らない事もあったけど、
この人一体最初はどんだけ私の事非常識だと思ってたんだ。




この責任者の人、職場の一部の人達が常識なくてほんと困る、とげんなりしていた。


それは常識がどうこうというより、性質がおかしいと思うんだけど。
おかしいと思える人達でも仕事はちゃんとやるし皆と仲がいいから、
辞めさせるという展開にはならなそうな人達と職場だ。



この責任者の人、もう一人の責任者の人とは違う感じの意味合いで面倒見がいい人だったけど、
この職場で新卒からずっと何十年と働いてて、他で一切働いた事ない人。
こんな職場で問題なくずっといられて、ここしか知らないって、もうそれだけでまずいと思うんだけど。




当時すでに、サラリーマンだからって一生安泰じゃないという思想はあった。
あったけど今ほどじゃなかった。
だからまだ世の中全体として一つの職場にしがみつこうとしている風潮がある様に思えた。
ここの職場はそれとは少し事情が違うんだけど。
(これはまた別の日に書こう。)



皆、その職場でだけ通用する性質を身につけ、
その職場でだけ通用する人間関係に安心する。
私これ当時からおかしいと思っていた。



会社員が必ずしもだめって事じゃない。


ただ、一つところでずっと居られたっていうのは、
全く変化しなかったと言う事だ。
そこの枠にずっと収まり続けたとも言える。



私にはそれが人間としてかなり不自然に思えた。



なんらかの成長や発展の可能性のある人なら、
一つのところで何年も働き続けるのは相当苦しい。
私は経験者なので、それがどれほどの苦しみかよくわかる。
それなのに何十年と同じところでいられるというのは、
もう何も考えない様にしていたとしか思えない。



会社員が自分に合っているなら、転職でも転職場でも必ず合う会社はみつかると思う。
年齢が上がってくるとたしかに難しくなってくる。
年齢的に難、と思われたとしても
ひとつの業界で長く正社員やってた様な人なら
同業界内でスライドする様に転職するのは不可能ではないと思う。
雇用形態問わないならなんだって出来るしどこへだって行ける。
自信があるならフリーランスだって出来るし、能力や才能があれば起業したりも可能だ。








この家買った責任者、
普段はとても穏やかな感じの人だったけど、
なんらかの自分の価値感と違う人に対しては徹底的に牽制する。
自分の責任者としての権限を超行使する。
私の事はわりと好意的に受け取ってくれてたけど、
他の人への接し方見ててなんか偏りのある人だなと思っていた。




ちなみに私を閉じ込めた先輩談によると、
贔屓傾向のある責任者がいままでで一番いい責任者だそうで。

それはたぶん、仲良くする事でかなり融通がきいて仕事もやり易くなるからだと思う。
家買った方の責任者の人は、不真面目で常識のない人に対して全く融通が効かない。
でもそこまでうるさくも言わず諦めているところもあったけど。


この贔屓傾向のある責任者の前任の責任者や、
その時この部署にいたかつての先輩達はほんとに酷かったそう。
なんか最悪だな。
改善してこれなの、ってその時思った。
私を閉じ込めた先輩達とその同期の先輩達が仲良く結束してたのって、そのさらに前の先輩達が酷かったからか。
でも、程度の差があるだけで同じ要素を引き継いだんじゃないの?って思ってしまった。



なんで私にそんな話してきたというと、
私が贔屓傾向のある責任者が気に入らないんだと思ってるからの様だった。



気に入るとか気に入らないとか以前に、
ふた回り近くもキャリアも年齢も離れた子達と一緒になって嫌がらせしたりする人どうなのって事だ。
しかも責任者という立場でもあるのに。
この職場の人達は、そういう事が分からない人達の様だったので黙っていたけど。



たしかに仲悪かったりお互い無関心過ぎるよりは仲良くしてる方がいいけどさ。
こういう職場の場合は、特に責任者という立場の場合は特定の人とくっつくべきじゃない。



全体を見渡して、どっかこじれてるとこがあったら調整に入ったり、
何かあったら双方もしくは多方面から話を聞くのが本来の状態。
その時の為に偏りのない視点でいる必要がある。ある意味孤独。



この贔屓傾向のある責任者はそういった孤独には耐えられないと思うし、
どっちかというといい人間関係の中で人に好かれるみたいなタイプじゃないから、
どんな子でも自分を慕ってくれたら甘くなるんだと思われた。






しばらくして、まずは家買った責任者が人事異動で他部署へ行き、その後まもなく贔屓傾向のある責任者が異動となった。


贔屓傾向のある責任者とは、その後二度と会う事なく私は辞めたんだけど、
家買った責任者とは、業務の都合で辞めるまで毎週顔合わせてた。と言っても特別仲良くはなかったけど。

つづく。