結局残した山葵はそのままにお店を去った。
後日、紹介してくれた知人に食べに行った事を報告。
山葵についても報告。
「なんだ、言えば包んでもらえたのに。」
ええっ!?
「遠慮せずにこの山葵くださいって言えば良かったんだよ。」
そうなの?!
残した山葵を持ち帰りたいなんて、
お店に迷惑かと思って言えなかったんだよ!
私の山葵ー!!
ところでこのお蕎麦屋について知人から、
事前に跡継ぎ事情についてちらっと聞いていた。
なんでもこの蕎麦屋のオーナーには一人息子がいて、
これがどうしようもないドラ息子なのだそうだ。
跡継ぎにしようにも全く店に寄り付かず、
かといって他で何か仕事をしているわけでもなく、
オーナーさんはほとほと困っていたとか。
「ほんとどうしようもない息子なんだよ。」
知人は言った。
私は、何か他にやりたい事があるとかなんじゃないのかと言うと
全く違うただのドラ息子と反論された。
そうなのか•••。
私はそのドラ息子と会った事もなければ
見たことすらないからな。
あ、そういえばお店でオーナーさんらしき人はいなかったよ。
その代わり、礼儀正しく腰の低い青年が接客してくれた。
「そいつがドラ息子だよ。」
はっ?!
「更生したんだな。」
いやいやいや、ドラ息子要素が1ミリもない店員さんだったよ。
「だから更生したんだろ。」
ないないないない、あれはきっと社員かバイトで雇われた人だって。
知人は
あそこは身内しかいないんだよ!!みたいな事を言って
「そいつがドラ息子。」しか言わなくなった。
う、そー•••。
だって物静かで真剣に仕事をしていて、お客様にも真摯に対応していたの私見たんだけど•••。
•••。
あれは替え玉!!ドラ息子消えた!!
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