猫日記232。
#姉の重すぎる愛と王子カルピスの憂鬱な日常17
ばあちゃんは、特別猫好きってわけじゃない。
ばあちゃんだけじゃなく、うちの人達は皆犬派なので猫にそこまで興味はなかったはず。
それなのに、皆カルピスに対しては人が変わった様になっていた。
ばあちゃんも。
ばあちゃんは普段そこまでカルピスにご執心ではなかったが、カルピスの可愛さと王子であるという事実は認識していた。
そしてカルピスを尊重していたので、私がやたらカルピスにかまいたがるのをよく思ってなかった。
カルピスの方は、ばあちゃんに特に積極的に近づこうとはしなかったが、
時々通りすがりに抱き上げられて可愛い可愛いと愛でられていた。
カルピスはいつも王座で横たわっている事が多かったが、
実はこの一人掛けソファ、もう一人座る人がいたのだ。
ごく稀にだが、ばあちゃんもこのソファに座る事があった。
そこにカルピスがやってくる事があった。
トコトコ。
カルピス(あ、"おかあさん"の御母堂•••。)
王座にばあちゃんが座っているのに気づくと、
カルピスは床に横たわった。
カルピスは自分の権利や居場所を主張するような子じゃなかったので、
いつもの場所にばあちゃんが座ってたら、すんなり自分は違う場所に座る。
王子の権力とばあちゃんの権力が交差する事はなかった。
しかし、時々ばあちゃんはカルピスにお説教する事があった。
カルピスは子猫時代、お母さんにしばしば甘やかされていた。
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ある日、近くにいたばあちゃんは機嫌が悪かった。
もしかしてばあちゃん、お母さんの【カル可愛い(発作)•うふうふ】を目撃したの?
お母さんてば、【カル可愛い(発作)•うふうふ】はばあちゃんにみつかっちゃまずいよ!
(悲報)ばあちゃんは甘ったれに手厳しかった。
カルピスが嬉しそうに歩いているところを、つかまえて抱き上げるばあちゃん!!
祖母橘「カル•••!!おまえは赤ちゃんなの?!違うでしょ!!」
ばあちゃんはカルを持ち上げてお説教し始めた•••!!
カキーン。。。
カル、固まった。
遠目からでも全身硬直しているのがわかる!!
すごい、猫ってあんなに仮死状態みたいに固まるの•••?!
私は驚いた。
ばあちゃんは、カルピスがまるで赤ちゃんの様に甘やかされて嬉しそうにしているのが気に入らなかったらしい。
ばあちゃん•••。それはあんまりだよ。
たしかにカルは赤ちゃんではなかったけど、まだ子猫だったし、
それにあんなに嬉しそうにすることが普段ほとんどなかった。
本人の気の済む様にさせてあげようよ•••。
ばあちゃんはカルピスを解放すると、カルピスは何事もなかった様に歩いていった。
王子たるもの、仮死状態レベルで硬直しようとも何事もなかった様にふるまうのさ。