ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

チェロは飛行機に持ち込んだら人間になる

生演奏を聴く機会は、舞台観に行く以外でも、
年末年始以外でもある。


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あれは3年くらい前に生演奏聴く機会があった時の事なんだけど、
控え目に言って最高だった。


演奏が始まってすぐ、一人だけ特別な音を出してる人がいると気づいた。
ピアノじゃない、ハープでもない・・・ヴァイオリンかチェロだ・・・!


途中ハープとチェロだけのパートがあった。

さらに、チェロのソロもあった。



チェロだった。


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チェロの演奏は他でも聴いたことがあって、
特別チェロの音だけが好きというわけではない。
でもその日のチェリストの音は特別だった。



あんな音、聴いたことない。
あんなに美しい演奏が存在するなんて知らなかった。



私、感動してしまって聴き入った。




演奏終わりそうになった時、
我に返って、涙を引っ込めてから
近くにいた関係者のスタッフに声掛けた。


「ああ、○○さん?音素敵ですよね。」


素敵どころじゃないんだってば。
あんな音出せるって、一体どういう事ですかと
興奮してしまった。


「後で本人と直接話してみたらいいじゃないですか。」


そんな事出来るわけないでしょうが。


演奏家の人は演奏を聴かせる事が仕事なのであって、
お客のおしゃべりを聴くことではない。

もしかしたら、演奏は本業ではないかもしれないけれど、
アーティストに知らない人がなれなれしく話しかけるっていうのは
どうかと思っている。


実際、演奏活動をしながらピアノやバイオリンの先生をしている人は結構いるようだ。
フルートとか、ハープとかチェロは、先生として仕事が成り立つほどお教室や生徒が存在するのかは不明。
いずれにしろ、本業を別に持ってたり、演奏だけの仕事をする場合は結婚して主婦しながらの人が多いようだ。
声楽とかの人だと、有名ミュージシャンとかアイドルとかのバックで歌ってる人もいたな。


みなさん小さいころから特殊な世界でお稽古してきた人達だけど、
わりと結構普通ぽく気さくな感じだったりする。
だからといってそういうやりとりを望んでいるとは限らない。



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(悲報)しかしその関係者のスタッフは私の断りから
そういった事情を全く察してくれなかった。



「遠慮しないで話してみたらいいじゃないですか。」



私が本人に伝えておいてくださいと言うと、
その関係者のスタッフは食い下がってきた!



このスタッフの人は、
華やかな業界にいるのが好きなだけで、アーティストではない。
誰とでも仲良く話すのがあたりまえと思っていて、実際それが出来てしまっている人だ。
それで仕事がうまく回っているなら別にいいと思うけど、私をそこに組み込んではならぬ。



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ちなみに、チェロは飛行機に持ち込んだら
人間1人分の料金取られます。
チェリストのみなさんは、どこに行くのにも
自分でチェロを抱えて移動するから
飛行機みたいに料金取られない乗り物であっても
とっても大変そう。



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私はなにがなんでもこの日のチェリストとコンタクト取らずに帰ろうと頑張った。



関係者のスタッフの人は、
私の事をすごいはずかしがりやですね!!
とけたけた笑っていた。


そうそう!!そうだよ!!
シャイなあんちきしょうの事はかまってくれるなよ!!