ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

A君

やはりMちゃんつながりでA君という子がいる。

最初、妙にしっかりした子だなと思ったんだが、あんまり遭遇する機会がなかった。


夏の終わりのある日、MちゃんとかK君が一緒にいる時、A君もいる事があって、私はA君にどことなくいけ好かない空気を感じてしまった。
その日私は特にA君と話す事はないなと思った。


しかし、ある時A君とじっくり話す時が来た。
A君は実は今年の春上京して大学生になったばかりで、ものすごく若い。
しかもA君が住んでるエリアは私の行きつけエリアだった。


なので、おすすめのお店とか教えたげたら、お金かかる事は一切しないという。
おすすめの輸入食材のお店教えたら、手間のかかる事は一切しないという。
食事はいかに時間かけず簡単にするかが重要なんだそうだ。






A君「料理の見た目とかどうでもいいじゃないですか。」

橘「どうでもよくないよ!!」

A君「俺、腹に入ればなんでもいいっす。」




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A君は超合理的だった。



A君「橘さんて、家でも盛り付けとかちゃんとしてそうですよね。」



インスタグラマーなんで。
いや、ちがうな。
何もそこまで凝った盛り付けはしない。



私もまあまあ合理的に考える人間だから、A君の言い分はわかるんだけど、
短期的にすごく理にかなっている様に思えることでも、
長期的に考えるとあんまり合理的じゃない事があるので、そこは妥協出来ないだけだ。



自分と考えの違う人に合った時、いつもここがうまく伝わる様に説明出来ない。



さらにA君と話していて、読書が好きな子だという事がわかった。しかしその内容は偏っている。
某有名自己啓発系の著者の本ばかり読んでいる。私も知っているし、実際1冊だけ読んだ事がある。



A君は相当その著者に入れ込んでいた。
おそらくいけ好かないとさえ感じる物言いや、やや偏った考え方はそう言った本のせいだ。つまり、A君は騙されている。




私の様に、実際読んでみて、一時は面白いと思ったとしても、冷静にここはこう、これはこういう意図で書いてあって、こことここは辻褄があわない。結果、この本を読んでいる世の中の自己啓発好きは、著者と出版社のただのいいお客さん。
だからこの本を読んでも賢くなったわけではないし特別な情報も得られない、
と判断してただの読み物として離れる事が出来るなら別に悪くはないと思うんだけど。



A君は結構夢中になってる感じだった。
だからあんまり否定的な事言ってもどうしようもないだろうなと思って、ああいった本の真実を全部は伝えかねた。


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世の中には、著者が「さも私が書きました」みたいに写真掲載で紹介されている、その人が「書いた」とされるエッセイとか自己啓発本とかが溢れている。


いや、実際は本人書いてないから。
本人が喋った内容を元に文字起こしするゴーストライターがいるのがほとんどだ。
それぐらい、売り物に出来るレベルで文章が書ける様になるというのは難易度の高い事らしい。



その事実を知る前、実際の本人の印象と著書の文章から醸し出される雰囲気にズレを感じる事が多々あったが、その事実を知ってなるほどな、と思った。



A君はこの事実を知らないので、その著者に心酔している。
しかもその内容というのが、昔からあることを再利用して新しい感じにみせている内容がほとんどなので、
A君が最近知って感激している事を私は10年くらい前にすでに知っててしかもウソと分かっているという有り様だ。



A君、こういう本を読むのやめればいいのに。







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A君には他の趣味もあった。

「俺、動物園好きなんすよ。」


動物園?
そういえば、他の子と話してる時、「動物園行かないといけないんで。」って言ってるのを聞いたことがあった。
ただの誘いを断る口実だと思っていたが、何やら本当に好きらしい。動物が。



自己啓発の本よりぜったいそっちの方がいいって!!
いい趣味じゃん動物!!



あと、特定のカテゴリのアニメが好きらしい。
結構ヒットして映画化までしてるのに、周りにその話が出来る人がいなくて辛いのだそうだ。ちなみに鬼滅の刃ではない。



鬼滅の刃はA君は嫌いだそうだ。



私は鬼滅のアニメは知らないが、漫画は1巻だけ読んでみた。面白さが全く分からなかった。あれは2巻以降面白くなる漫画なのか?

ていうか、絵が相当年季の入った人が書いてる様に思えた。なんていうか、新人にしては達者すぎて初々しさが全然ない。そういう胡散臭いところも好きになれない。




で、A君の好きなアニメの話題に戻ったんだけど、私はそのアニメ全く知らなくて、話聞くだけにしようとしたのに、主人公の名前の由来とか言い当てちゃって、世界観も把握して受け応えしてしまった。A君歓喜!!


A君は、そのアニメについて語れる人を探していて、1期1話から見る事を強く勧めてきた•••!!なに、そんなにいいアニメなの!!


A君は、なかなかこのアニメの事わかってくれる人いないんですよ!!と熱く語っていた。たしかにMちゃん周りにはいないな。




まさかA君とこんなに話込むとは思ってなかった。
しかしA君は他の子、特にK君と違ってさっさと帰るので、気を使わなくていい!!