この方、なぜうつになるまでその職場に
い続けたのか。
この方の性格や思考パターンの傾向から考えると、
おそらく最初はその職場でそれなりにうまくいってたんだと思う。
そしてこの方自身、そこに満足していたはず。
それがどのくらいの期間かは分からない。
でも途中何かのきっかけで周囲との摩擦を感じるようになったのかもしれない。
この方、繊細なところがあるし、視点を変えたり
気持ちを切り替えたりする事が
あまり得意な方ではなさそうにも思えた。
そしてちょっとした事が、ありもしない想像まで生んで、
この人の中での周囲への印象というのが
どんどんネガティブになっていってしまった、
そんな流れが見えた。
でもこれだけでうつにまでなるなんて考えづらい。
実際、いろいろやられたんだろうなとは思った。
その場で見てないので、どういう人間関係だったかは
わからないけど、職場でのやりづらさというのは私もさんざん味わってきてるので
相当つらかったんだろうなとは察した。
そしたら、そんなとこさっさと辞めればいいじゃないと思うかもしれないけど、
うつになってもやめられない理由がこの人の中にはあったはず。
給与や福利厚生等の待遇面がいい、という事もあったのかもしれないし、
その他にも気に入っていた条件があったのかもしれない。
でも私には、この方の中にもっと違う理由がある様に見えた。
この方も含めた状況がおかしくなっていった時、
よかった時の状態を取り戻したいと思ってたんじゃないかな。
しかもそれが可能だと、根拠のない希望を心のどこかで
持っていた可能性がある。
これ。これが会社員のこわいところ。
完全に職場の人達含めた会社から精神掴まれてる。
そこに迎合出来るなら、べつにそこまでつらいことなんてないし、
うつにもならないと思う。
でもこの方はそれが嫌だったわけで。
そもそもそこの職場が、
この方の個性にぜんぜん合ってなかった可能性だってある。
でも、それからさらにうつの症状がひどくなっても、
出勤もままならなくても会社にい続けた期間は、
目的がもう変わっちゃってる様に思えた。
この方、自分がこんなにつらい目にあってるという事を
周囲に認めて欲しかったんだと思う。
私のような他人からしたら、人をうつに追い込むような
職場にいる人間に望むものはなにもない、と思ってしまう。
でもこの方は、私じゃないし、うつのさなかにいたら
まともに思考も出来ないと思う。
あともうひとつ。
ひとつところに長くいる様な人は、
他の可能性が見えにくくなるという傾向がある。
これ、次々と自分の環境を変える人、または環境がかわるなかで育ってきた人には全く意味不明だろうな。
華麗なる転職場を次々に成功させる人や
職業自体変える事が出来る人とも
基本的には見えている世界が違う。
ずっと同じところにいつづけると、こうなる。
他の可能性が見えなくなってしまうのだ。
会社側からしたら、そういう人の方がいい。
でも個人の人生としては最悪の場合もある。
この方がそうだったんだろうな。