ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

俳優のたまごが住んでいる17

「オーナー」・・・もとい先生との会話に夢中になりすぎて、
紹介してくれた女性は静かに見守るスタンスになってしまった。
お茶を淹れてきてくれたので、ご馳走になった。
でもまだまだ会話は続く。




この先生は、ほんとに本物がお好きな方で、何を手に入れるにも最高峰のものにしている様子がありありと伝わってきた。
この時は食器の話がメインだったけど、何をするにも良いものを選び、その為の知識と情報を持っていた。
一般に広く知られている有名ブランドも嫌いではないようだが、一般に知られていない最高品質のメーカーのものも詳しい様だった。
私が何を質問しても、それがどういうものなのか説明がかえってくる。
どんなに社会的地位があったとしても、そのへんの企業の会社員と話していてもこういう会話にはならない。




博識なんだなあ、と思った。
私の知らない事をたくさん知っている。
私はそういう人の話を聞きたい。




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私が、以前観た映画の中で使われてたエルメスのお皿に憧れてて、
デザインはこういうのです、と話したら、面白がって聞いてくれた。
そしてエルメスは定期的に異なるデザインのお皿出してるから、
伊勢丹に見に行くといいよと情報までくれた。





ちなみに、この先生、中国茶の先生でもあるらしく、
中国茶の茶器や中国茶そのものもお好きなようだった。
私は主に洋食器や和食器に興味があったので、
中国茶器の世界は未知の世界だったけど。





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(それにしても・・・。)




会話の内容はとてつもなく興味深いものだったけど、
実は針のムシロだった。気分的には1000滴の汗がしたたり落ちてる感じがした。
この先生、私をまるで不思議生き物でも見るみたいな目で接している。




からしたらこの先生の方が正体不明で不思議だった。
大富豪なのに、庶民の人達の思考回路や行動パターンをとてつもなくよく理解している。
一見、アンバランスな価値観をさらっと言ってのける。
そしてコスト意識がとにかく高い。そこは経営者だからなのか。
また、価値を認めたものを得るためには、どんなに高額であっても躊躇なく買うのに、
その反面、常に費用対効果を頭のどこかで考えている、そんな人だ。





また、これは後から知った情報だけど、
もし全ての財産を失ったら、小さな料亭をひらいて生きて行けるように
そのためのスキルも持っているのだとか。
この先生が慎重派だという事がここからもうかがえる。
人生におけるプランBを常に用意しているのだ。
いやもしかしたら本人の中ではCもDもEだってあるかもしれない。




ちなみにこの先生、
よくこの自宅にシェフを呼んで料理を作ってもらっているから、
てっきり料理はしない人だと思っていたけど、違った。




さらにこれも後から知った情報だけど、
バブル期は六本木の一軒家に住んでいたけど、
うるさいので海の見えるエリアに引っ越したのだという。この部屋も海の見えるタワーマンションだった。
これ、まるで湾岸貴族みたいだなと思った。



バブルの後、やや貧しくなって
六本木・広尾等から東京湾沿いに引っ越して
住み始めた人達の事を湾岸貴族というと昔何かで読んだ。



しかしこの先生はそうとは言い切れない。
室内の骨董品の数々。
私がずっこけそうになりながら踏んでいた絨毯だって
どれだけ価値のあるものかわからない。
また、ヴォッテガヴェネタ、ルイヴィトン等の靴を履ききれないくらい持っている。
バッグもヴェネタ。
百貨店の外商さんが自宅まで商品を届けにやってくる。
湾岸貴族とは言い切れない裕福さだ。



だからいろいろ不思議でよくわからない人だった。
年齢も不詳で、もしかしたら40代じゃなくて若く見える50代かもしれないのだ。
あと、この時話していてふっと頭をよぎったのは、日本人じゃないんじゃないだろうか
という事。日本人と言われれば、そうだと思える見た目だし、
話し方も普通の日本人の話し方だ。
でも、説明出来ない違和感が一瞬頭をよぎった。
もしかしたら、どこかの国の混血なのかもしれない。
それこそ中国とか。





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その日は結構長時間話していたけど、
夕方になる前においとまする事にした。



紹介してくれた女性が1階のエントランスまで送ってくれたけど、
途中、こっそりと「オーナーは映画のモデルになった人なんですよ。」
と教えてくれた。



この時の私は、ますますわからなくなった。
ほんとにこの「オーナー」・・・先生はどういう人なんだろう。
ま、いいか。お話楽しかったし。


「次はいつにしましょうか。」
女性は言った。



次?!次があるの?!
もう来る事はないと思ってたんだけど!