先月のある日、電車に乗って相当集中して去年からずっと読んでる本また読んでたの。もう去年のうちに1回全部通して最後まで読んだから、再度読んでたんだけど、それも面白くて進んだ。
そしたら、下を向いて紙面に釘付けになっていたら、何かおかしな波長を感じた。若干頭痛がする。まるで脳に砂利をすり付けられるようだと思った。
ふと顔を上げると、いつのまにか乗客が増えていて私の前に50代後半くらいの男の人が立っていた。
一瞬、浮浪者かなと思った。でも違う。あきらかに異様な雰囲気をまとっていて、お世辞にも清潔な感じはしないけど、普通の人だ。
ただ、だいぶ意識が朦朧としている様で、目を閉じて体がわずかに揺れている。電車の揺れとはあきらかに別物。
飲酒によるものでもないなと思った。
(やばいな、席を立って車両を移ろうか。)
でも、一度席を立ったら二度と座れないだろう事はあきらかで、せっかく読み込んでのってきてたのに、と思ってその場に居続けた。
この男の人、入られてる。早く立ち去ってくれないかなと思ったけど、そもそも偶然をよそおって私狙いかもしれないと悶々と考えて本に集中出来ない。この男の人になんの意図もないのは明白なんだけど、使われてる可能性もあるから。
その時!!
その男の人は目を閉じたまま、私の本に唾吐いた!!
私、いかった。いかりが込み上げてきてにらみつけそうになったその瞬間・・・!!
ゴン!!!
車両に響きわたるほどのとんでもない音でその男の人は頭を打った!
後ろに倒れこんだから後頭部だね。
電車が揺れた訳でもないのに、おかしな倒れ方していた。あきらかに不自然な動きをしながら後ろへ倒れて私の前から離れた。
まるで風圧でおされたみたいだった・・・。
ちなみにこの人1人のせいで電車が止まって遅延した。駅員さんが駆けつけてきて、大騒ぎになりました。
私、席を譲ってこの男の人に座るよう声をかけて少し離れたところに立った。
座った男の人の顔つきが、あまりにさっきと違うので、出ていったな、と思った。やっぱりこの人自体は普通の人の様だ。駅員さんからの声かけにまともに受け答えしている。あきらかにさっきの異様な雰囲気とは違う。
駅員さん 「頭を打ったとのことですので、念のため病院行かれた方がいいですよ」
すんごい音したもんね。
その男の人は駅員さんに連れられて電車を降りて行った・・・。
私の本は!?
もうひどい。唾吐かれるとかありえないから。なにこの冒涜感!!
Amazonで再度注文!!
そしたら、繰り返し読みたい部分だけの抜粋版を見つけたからそれ買った。装丁もかわいくて素敵だ。持ち運びはこっちの方が便利だけど、いずれおんなじ分厚い方のも買い直す!!