ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

弟子にされそうになった話<依頼その2編・カフェ再び>

hotakatachibana2018-12-25

突然、その人が「会うか?」と言ってきた。


場所はいつもの某カフェ。



いつもの待ち合わせの某駅で、合流した。


夏じゃなかったのに、ノーネクタイだった。相手が小坊主だからって手を抜くんじゃない。しかしその目は心底驚いていた。



おそらくまっとうな理由で契約続行を希望する私のような顧客は、私を含めてもほんの数人しかいないのだろう。もしかしたら私以外いないかもしれない。それくらい他の顧客は何がしたいかわからん人ばかりだ。(話をきいている限り)



私を前にして驚きを隠せない、そんな目の色をしていた。






カフェでしばらく話し込んで、そのあとはフリースペースのテーブル席へ移った。




その人「何か飲みものいるか?」



私「いらない。」





話はその人のとある顧客の1人の話題に移った。




その人「あいつは俺が封印して出てこれないようにしてやった。」





これだけ聞くと、大抵の人は「?」だと思うが、私はすぐにピンと来た。


この人、人に心理的な術までかけれんのか!?たち悪・・・!!


話を聞いたところ、その問題の顧客は、存在しているだけで社会にとって悪だから、俺が絶対に低空飛行の状態から昇って来れないようにしてやった、との事。



話を聞いている感じだと、社会にとって悪というより、この人に対して何か不敬を働いたという印象だった。そしておそらくその問題の顧客本人は自分が何をされたか全く気づいてないだろう。









私は、非常によくない波長が満ちるのを感じた。この人は、この人なりの理由があっての事とはいえ、人ひとりの人生をわからないように破壊したのだ。



私はその場にいたわけではないので、その問題の顧客が相当悪だった可能性を否定も出来ないんだけど。




もう少しこの人を信じてみたい気持ちがあったので、すぐに気持ちを切り替えた。



私 「その術ってどうやってかけるんですか?」




たいして興味のないことを質問してしまった。





その人 「おまえ、気を付けろよ。絶対に俺から術をかけられるな。」





なぜ質問に答えない。





私 「 いつ術かけるんですか?いつ?いつ?」






私が全く動じないので、その人は機嫌悪くなった。





その人  「タイマーいたるところに設置してやろうか!!」





その人の様子があまりにおかしかったので、大爆笑してしまった。


そしたらその人、うつむいて黙りこんでしまった。






すごい!!よくまんがとかで見かける怒ったときに血管が浮き上がってるマークが・・・この人の顔のどこかに見える・・・!!私には見えるよ・・・!!









突然、その人は近くにあった樽くらいの大きさのコンクリート製の植木鉢をにらみながら、叫んだ。





「俺は今この鉢を持ち上げておまえの頭の上に落とす自信がある!!」





なんでこの人こんなに面白いんだろう。頼むからそんなに笑わせないでくれ。












その人 「俺がこうして怒ってんのにまだけたけた笑ってるしよ!!」





私がおそれをなさなかったのが気に入らなかったわけですね。はいはい。


仕方ないよ。おそらくその術、私にはかける事が出来ない。私は直感的にそう思った。