「私タイエアウェイに電話しないといけないんだった!!」
「リコンファーム?」
「さっきから何回もかけてるのに通じないんだけど。あそこの電話こわれてたりするかな?」
「いやそんなことはない。・・・俺部屋戻る。」
Sさんは頭ボリボリかきながら大あくびして部屋へ行ってしまった。
私は電話へダッシュ!!
祈りながらかけたんだけど、出ないんだよタイエアウェイ!!
仕方なくテラスに戻ったよ。なんてこった。私帰国できるのか…?
座ってたらまたSさんが来たよ。
「タイエアウェイつながった?」
「まったくだめだよ。」
「リコンファーム要らないんじゃないの。」
「私も昨夜まではそう思ってたよ。」
私は旅行会社にしてやられたかくかくしかじかをSさんに打ち明けた。
聞いたSさんは怒った。元同業者だけに。
私は泣きたいだよ。さっきから電話とテラスの往復ばかり。もう太陽が高くのぼりはじめているのにどこにもでかけられない。日本に帰れないかもしれない不安と戦ってる。こんなのいやだ。もっかい電話する。
「リコンファームしなくても大丈夫だと思うけどな。飛行機乗れなかったら戻ってくればいいよ。みんなで歓迎するから」
みんなってSさんの友達の欧米人の3人?!私には意志の疎通が不可能。 ていうか戻ってくんのやだ日本に帰る。一度帰って入念な準備と思考の後またくる!!
じゃ!!タイエアウェイに電話してくるから!!
しかしタイエアウェイ意地でも電話にでないらしいよ。すごすごとテラスに戻った。Sさんはまだ座っていた。
私も座ってもんもんと時間をやり過ごした。なんでつながらないのかすっごい考えた。電話は壊れてないし(これがイタリアだったらつながらない理由は100%電話の故障だが)、 電話番号は間違えていない。一体どうなっているの・・・。
その時Sさんがキレた。
「ああ全く助けてほしいなら助けてほしいって言えよ!!だから日本人はだめなんだよ!!」
なんでー!!
本気で日本語で怒鳴らないでください!!すっごいびっくりした。そして私一人のせいで日本人全体がだめに。日本のみんなよすまん。
「でもこれどうにも通じないんだよ!!」
「じゃあどうすんの?!」
「助けてください・・・。」
「かせ!」
タイエアウェイの番号が印刷されたリーフレットと帰りの航空券をSさんに渡すと、Sさんは携帯取り出してタイエアウェイに電話してくれたんだよ。怒りながら。
「タイエアウェイサービス悪りいな。」
携帯持ったままSさんはそう言った。
やっぱり通じなかったらしい。
「やっぱり通じないんだよ。もうどうしていいかわかんないからとりあえずあきらめて観光行ってくる。」
この時の私は何をあきらめたんだか。
しかしSさんはあきらめるどころか今度はなんか違うとこに電話かけてる風だった。
Sさんの英語はネイティブ発音すぎて聞き取れなかったけど、「タイエアウェイ」ってとこだけ聞き取れた。
もしかして日本でいう104的なところにかけているのか。
そしてさらに電話かけて、やはり私には聞き取れない英語で航空券見ながらしゃべってる。
私Sさんが中国語しゃべってるとこ見たことないけど、日本人とあきらかに違う感じはすごくわかったよ。
だから日本人はだめなんだよ言ってたしさ。(←落ち込んだ)
「大丈夫だってさ。」
Sさんは航空券私に渡すとそう言った。
なんかリコンファームが完了している!!
「ありがとう!!」
Sさんはよし、という風にうなずいていた。
そうか、旅先でも自分ひとりでなんとかしようとしないで
積極的に協力を求めればいいのか!!
それにしてもSさんてすごい。
これはキャリアの差か、年齢の差か、もともとの出来が違うのか。
しかしここでまた新事実が判明するのであった。
お互いの年齢の話になり、私が自分の年を言ったら、
「俺も同い年だよ。」
ええええー!!!うっそー!!!←失礼
Sさんの心の中 ・・・(こいつぜったい10歳くらい年上だと思ってる。)←おそらく中国語で思考
橘の心の中 ・・・(10歳くらい年上だと思ってたことがばれたらどうしよう)
橘「すごーい偶然だねえー同い年なんてっ。」
Sさん「・・・よく間違われるんだよな・・・いつも・・・」
ばれてる。ばれてるばれてる。
「Sさんのおかげで私観光にいけるよ!!いまから出かけてくる!!夜戻ったらSさんまたいる?」
Sさんは夜は友達と出かけて遅くまで帰ってこないらしい。
じゃ、私行ってきます!!