イタリア・フランス回想記(2003年12月27日〜2004年1月1日)vol.40です。
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荷物を部屋においたまま、ホテルを出た。
チェックアウトはまだ。
まずはサンマルコを目指した。前の晩は途中まで水上バスを使ったけど、この日は友人の提案で歩くことにした。たしかに歩いたほうが街のなかをよく見れるし、いろんな発見がある。
サンタルチア駅から一番近い橋を渡って建物と運河に挟まれた路地を歩いていたら、向こうから小さな犬を連れたすごくカッコいい年配のセニョールがやってきた。
細身でシックな服をきりりと着込んで、頭にぽんと乗った帽子も似合っている。セニョールも、彼の手から伸びたロープの先で自由に動く小さな犬も、すごくノーブルな雰囲気が漂っていた。
「カッコいいー…」
すれちがった後、友人が心底実感を込めて行ってセリフ。その後カドを曲がって細い路地に入りこんでも、二人でイタリアのおじいちゃんをたたえ続けた。