ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*本と宝箱

hotakatachibana2006-11-17

アルケミストを読み解くその7です。


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p89の文章です。

〜〜〜少年も本を持っていた。そして旅の最初のニ、三日間はそれを読もうとした。しかし、キャラバンを観察したり、風の音を聞いているほうが、もっとずっと面白いとわかった。自分のらくだを知るためにはどうすればいいか学び、らくだとの友情を気づくやいなや、彼は本を投げ捨ててしまった。少年はそれまで、本を開けるたびに何か大切なことを学べるという迷信を持っていたが、ここでは本は不必要な荷物だと決めたのだった。〜〜〜


いい本というのは本当に存在します。でも、そういう本でさえ道しるべにはなれど、自分に全てを教えてくれるものではないと思います。自分で学びとってきたことがあって生きるものもあると思うからです。しかも、本だけをたよりにしていては、オリジナルを生み出してゆけない。ここで言う生み出すとは、何も文章を書いたり服を作ったりということだけではなく、すばらしい料理、接客、看護、etc、いろいろあると思います。感覚を研ぎ澄まし、日々の積み重ねを続けていると、いつのまにか目に見えない宝箱のようなものを開けるための鍵を手にしていることがあります。その宝箱には、自分が成そうとすることのヒントが入っていて、それを取り出す時がやってくるのです。しかも、その宝箱は思わぬところからやってきたりするのです。

本を熱心に読んでいるだけだと、その宝箱は見えない気がします。