ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*否定的という服を着た不思議な力

hotakatachibana2006-11-04

アルケミストを読み解く、その2です。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


アルケミストP28の、主人公とキーパースンの会話の場面です。


〜〜〜老人の言っていることはあまり意味のないことのように思われた。しかし、彼はその「不思議な力」が何か知りたかった。
 
「その力は否定的なもののように見えるが、実際は、運命をどのように実現すべきかおまえに示してくれる。そしておまえの魂と意思を準備させる。この地上には一つの偉大な真実があるからだ。つまり、おまえが誰であろうと、何をしていようと、おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙から生まれたからなのだ。それが地球におけるおまえの使命なのだよ」

「したいと思うことが旅行しかないと思うときもですか?呉服屋の娘と結婚したいという望みもですか?」

「そうだ。宝物を探したいということでさえそうなのだ。『大いなる魂』は人々の幸せによってはぐくまれる。そして、不幸、羨望、疾妬によってもはぐくまれる。自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。すべてのものは一つなんだよ。おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」〜〜〜





ここの部分は、自分の過去を振り返ると大変重なるところでした。いつも不思議な力に、時には後押しされるように、時には導かれるようにして今までやってきました。だから私には「不思議な力」の正体が分かります。これは心霊現象でも宗教でもなんでもありません。


やっかいなのは、キーパースンの老人も言っている通りこの「不思議な力」が「否定的なもの」に見えるという点です。これは人を意気消沈させたり、まるで先が見えない暗闇に迷い込んだかのような錯覚に捕らわれさせたり、すべてが失敗に終わったかのような勘違いまでさせます。これらは肉眼では見抜けませんから、ほんとうにやっかいです。

でも、魂を研ぎ澄ますと大事ではありません。静かに、目に見えない流れを読み、自分がどうしたいのか判断します。ここで自分が本当はどうしたいかをごまかしたり、利己的すぎたり、不安や心配に心を支配されると必ず失敗します。「不思議な力」が着ている服をそのものだと思わないほうがいい。「不思議な力」が着ている服が「否定的なもの」に見えるだけであって「不思議な力」自体が「否定的なもの」ではないからです。


ここでつまづくと、自分の望みを叶えられなくなってしまうようです。もしくはいつか気づくその時まで先延ばしになるみたい。

誰にでもこの現象は起こっているのに、気づいてる人にあまり会ったことがありません。皆「不思議な力」が着ている服に圧倒されてあきらめてしまっているように見える。私だってこわいと思います。でも、こわがりながらでも「不思議な力」と渡り歩くことがひとつのキーなのだと、私はなぜか知っていました。パウロ・コエーリョもきっとそうだと思います。この部分を読んでそう感じたのです。