ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*失われた線路

hotakatachibana2006-09-17

屋久島日記はお休みです。仙台〜東京へ帰京後日記はやっと終了しました。仙台滞在はたった1日なのにこんなに時間かかってのろい。屋久島だってたった2日間の滞在だったのに、まだ終わりが見えない。震


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あれは8月の夏真っ直中だった日のこと。私は終電を逃してしまった。震   仕方ないので線路の上を歩いて帰ることにした。そうすれば確実に最寄り駅にたどりつけるはず。世の中はなんてシンプルに出来ているんだとうれしくなった。


ところが。



数歩あるいて、線路の複雑さに直面した。まず、板と板の幅が私の歩幅じゃない。一枚一枚の間隔が広すぎて平常心で歩けない。板を無視して歩いたら敷石に足をとられてくやしい思いを抱くこととなった。


次に、本当に線路の上を歩いてみた。バランス感覚を必要とし、何より足の裏が痛い。もう少し歩きやすい線路がよかった。不満はあったが歩き続けた。汗が滝のように流れた。歩いても歩いても最寄り駅に着かない。


しばらく行くと、ただならぬ気配のエリアに突入しそうになったので線路を離れて道路を歩くことにした。


タクシーが何台も通りすぎていった。いい。


私は今宵は自分の力で帰るんだ。歩いて歩いて歩き続けた。また線路にぶつかったら再び線路の上を歩くてはずというわけ。


ところが。



ものすごくたくさん歩いて先に進んだはずなのに、同じ場所に戻ってきてしまった。自分は見知らぬ街できつねにばかされていると思った瞬間だった。いまにみてらっしゃい。さらにがんばって歩いた。なかなか線路が見つからない。いまにみてらっしゃい。でも自分がどこにいるのかさえ分からなくなってきた。線路も見失ってしまった。いまにみてらっしゃいタクシー呼んだ。しかも流しのタクシーなどいないエリアで、いつも使っているタクシー会社へ電話を。


しばし沈黙の中、待つ。時間が時間なだけに人ひとりとして通らない。それどころか車もほとんど通らない。私はきつねに負けた。


汗流しながら立ってたら、バイクに乗った集団が騒ぎながら手を振って走って行った。こわいよう震。よけいなことするな。手なんか振らなくていいから普通に去れ。流れる汗を拭いてたらタクシーがきた。タクシーの運転手は救世主です。



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写真は新宿にある24時間営業のフレッシュネスです。ファーストフードとかチェーン店とかはほとんどいかないんだけど、ここは唯一好きでたまにゆく。いっそのことここで夜明かしすればよかったのさ。夏の日の私よ。でも翌日仕事だったけどね。