ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*白鳥の湖を発表会で

hotakatachibana2006-07-11

バレエが好きでたまに劇場に行きます。


プロの舞台、アマチュアの舞台、趣味の人の発表会、どれも大好き。先日もあるスタジオの発表会を観に行ってきました。仕事が終わってから向かったので、会場に着いたのは2幕の一番最後の曲の時。中に入れてもらって席について、くるみのパ・ド・ドゥを堪能しました。くるみ割り人形は実はそんなに好きな演目ではないんだけど、クララ役の人が素敵だったので、すごいよかったです。(ちなみにパートナーの男性ダンサーは某有名バレエ団からのゲストダンサーでした!)


このクララ役の人、丁寧さと軽やかさが直に結びついてるような感じで、グランバットマンやデヴェロッぺした時に骨盤周辺がふわっと浮いてるように見えた。私は上がった脚よりそっちに目が行くの。そしてピケやシェネが床の上を滑るようでうらやましかった。席に着いてあっというまにこのくるみのグラン・パ・ド・ドゥが終わって休憩時間に。私はわくわくしながら第3幕を待った。だって3幕は白鳥の湖第2幕の抜粋だったんだもん。


オデット役はスタジオの先生らしい。コールドの人たちが生徒さん。ロットバルトも先生。ジークフリートはくるみのパ・ド・ドゥと同じゲストダンサー。チャイコフスキーの曲にのって幕が上がると、湖!舞台美術がまさに湖のほとりという感じでますます気持ちが浮き立った。プロの舞台でも発表会でも舞台美術の立派さは変わらないなあといつも思う。しかもこの日の背景はまるで本物の湖みたいで、一番最初に登場したロットバルトより湖を観ていた。


ジークフリート、オデットと登場し、いよいよコールドの人たち。みんな細い!プロじゃないのにあの細さはすごい。でもすっごく元気のいい白鳥たちという感じだった。


グラン・パ・ド・ドゥになって、曲も佳境にさしかかると泣きそうになった。どんな舞台の白鳥の湖を観てもあの部分はいつも泣くの。すっごい感動してしまう。逆に白鳥の湖と同じくらい好きな「ジゼル」ではぜんぜん泣けない。しかもジゼルが悲劇だということが意識に上ってきたのはここ1年くらいだし。ああそういえば悲しい話だったんだと言う感じ。


でも白鳥の湖はハッピーエンドバージョンだろうと悲しい結末の方のバージョンだろうといつもグラン・パ・ド・ドゥの曲のあの部分で泣いてしまう。で、発表会が進行する中一人でじんわりしてたらあっというまにグラン・パ・ド・ドゥが終わって、小さな4羽の白鳥、大きな4羽の白鳥。


そして白鳥の女王(オデット)のVa.。このVa.もいろんな人のを観たけど、イヴリン・ハートのこれが最高で、いまだにハートの以上に好きなのがない。あのVa.だけで感動できるのはハートのだけ。だって白い繊細な花がゆっくりゆっくり開くように踊るんだよ。それでいて女王の気品が漂ってて、アラスゴンドのデヴェロッぺの脚が湖の雫をやわらかくはじくようなの。プロのバレリーナのプロの仕事だから詳しいことはわからないけど、あのVa.に、ハートの、踊りに向かう姿勢が全て凝縮されてるのかも、と初めて観た時思った。そんなことを思い出しながら観てたら、いよいよ抜粋の2幕が終わりに近づいてきた。


するとコールドの人たちに疲れが見え始めた。でもオデット役の人だけは登場してきた時と同じスタミナで、あの見るからにハードなアントルシャのところも踊りきって全て丁寧にフィニッシュ!

先生だから?キャリアがあるから??

常に最初から最後まで変わらずにコンスタントにできるというのは、ありとあらゆることにおいて重要な意味を持つと思う。そういう意味でも感動したし、いろんな発見があった舞台でした。


プロの舞台を観ると、完璧なまでの芸術にひれ伏すけれど、趣味で踊っている人たちにはプロの踊りにはない美しさがあって好き。だからスケジュールさえ合えばどこのスタジオの発表会だってどんどん観に行きたいのに、バレエの発表会は5月〜7月に固まってる気がする泣。


次に発表会にありつけるのはいつになることやら。


イヴリン・ハートの白鳥の湖
http://www.fairynet.co.jp/www/on-shop/html/av/DV-150631.html