ぽとりと落ちたノスタルジア

最近の日記は数年前の日記を書いている。時々リアルタイム日記を挟みます。

*ひなぎくきつね

hotakatachibana2006-06-13

六本木駅から歩いてほど遠くないところに、六本木らしからぬ一角があります。


その洋館のようなアパートメントはミモザの木が寄り添うようにたたずんでいる。その一室は、月曜日と火曜日だけひそやかにカフェになるのです。


木枠の窓から奥の部屋へと風が抜ける席から見える外の景色は六本木じゃないみたい。でも遠くに見えるビルが唯一都心だということを物語っているけれど。


ここの楽しみは、ほぼ週変わりの窓辺の花と月変わりのケーキ、そして必ずいつもある何カ月も熟成させたパラダイスケーキ。オーガニックティーもおいしい。ケーキやお茶もごちそうだけど、さらに目にもおいしいアンティークな雰囲気と、オーナー森さんとのおしゃべりは絶品。


エントランスの階段をのぼってドアを開けたら、奥の窓辺の席へ。ここは一人で足繁くひなぎくきつねへ通う人が皆自分の指定席にしている場所。間もなく森さんが一工夫で味を変えたお水を持ってきてくれます。お菓子はゆっくり眺めて選ぶ。ゆっくりとした時間はあっというまに過ぎて、たいていいつも東京タワーがぴかぴか輝き始める時間までいてしまう・・・。森さんにおやすみなさいを言ってきつねを出たら、帰
り道にも楽しみが。このアパートメントの他の部屋の窓を見上げながら、来た道と違う方向から帰る。するともうひとつきつねの建物と同じ時代のものと思われる建物がやはり現役でたたずんでる。そこを過ぎて少しして東京タワーがにゅっと頭を出すともう六本木。それまでの夜の麻布台は素敵で不思議。きっとひなぎくきつねを隠してるからです。